旧石器時代から!?ジャムの歴史
普段、何気なく食卓に並んでいるジャムですが、どのくらい前に誕生した食品なのでしょうか?
ジャムの歴史は実はとても古く、1万年~1万5000年以上前の旧石器時代後期にジャムが作られていた様子がスペインの遺跡から発見されています。人間がミツバチの巣から蜜を集めている壁画や果実を土器で煮た跡などが見つかっており、これがジャム作りの起源といわれています。
その後ヨーロッパではハチミツを使ったジャム作りが行われていましたが、紀元前320年頃にアレクサンダー大王がインド遠征により、砂糖をヨーロッパへ持ち帰ってからは、砂糖でジャムが作られるようになりました。当時砂糖は、黄金や絹の次に貴重な物であったため、自家製ジャムは王族や貴族、高僧などに珍重されたといわれています。
その後、16世紀になるとオランダやスペインの商船によって大量の砂糖が運ばれるようになり、ようやく一般家庭でもジャム作りが盛んに行われるようになったのだそうです。
<国産ジャム第一号は?>
さて、では我が国日本で最初にジャムを作ったのは、いつのことだったのでしょうか?
明治10年(1877年)に東京の勧農局(現:農林水産省の一部)で、イチゴジャムを試売したのが始まりとされています。企業としては1881年(明治14年)に長野県で缶詰のイチゴジャムが作られるようになり、明治末期から大正初期にかけて、日本でもジャム作りが盛んに行われるようになったといわれています。
その後、第二次世界大戦後になると、学校給食でのパン食普及により子供たちがジャムに慣れ親しんだり、食事が洋風志向になっていったことなどから、日本でもジャムの需要が多くなり国産ジャムが大幅に増えるようになりました。
今日ではさまざまな種類のジャムが並ぶようになりましたが、日本で一番多く作られているジャムはイチゴジャムで、その次にブルーベリージャム、マーマレードジャムと続きます。日本人にとってのイチゴジャムは、日本で初めて作られてから、給食の懐かしい思い出とともに長く愛されてきた味なのです。
長い歴史を持ち、古代の人たちにとっては貴重な甘味だったジャム。時々、そんな彼らに想いを馳せながら、ジャムを楽しんでいただけるといつもと一味違ったひとときを過ごせるかもしれませんね♪